小田中直樹「ライブ・経済学の歴史」は昨日、台所兼食堂のテーブルで読み終わる。デカルト方法序説」の第一部も読む。第二部はさっきパソコンをつけるまえに読んだ。昨日のお風呂で神林恒道 編「現代芸術のトポロジー」の、神林恒道「序論 芸術の危機とポストモダン」はいつだったかこのまえ読んだので、「第一章 純粋芸術から具体芸術へ」の神林恒道「1 芸術における近代―純粋化へ向けて」を読む。ロブ=グリエ「迷路のなかで」もちょびっと読むけれど、これはけっこう読むのがしんどい。しんどいが、面白い、というか、変。こ、これは!!と思った箇所。

テーブルのニスを塗った木材面には、ほこりが、しばらくの間―数時間か数日間か、数分間、数週間―小さい物体が占めていたが、その後それが移動されられた位置を示しており、それらの物体の基底面が、なおしばらくの間、円や正方形や長方形やもっと複雑なかたちではっきり痕跡を残し、あるものは一部分重なり合い、すでに形がぼやけていたり、あるものは布切れでふきとったみたいになかば消えている。

ちょっと、映画みたい、とも思う。小説には「書かれたこと」しか存在しない、ということと、映画にはカメラのフレームのなかに映る事象しか存在しない、ということが似ているのか?べつに映画をそういうふうに思ったことはないのだけれども。山崎さんからもらった、「現代思想1999年9月号 感覚の論理」のなかの、松野孝一郎[聞き手=三嶋博之]「物は感受する 生態物理学と生態心理学の対話」もちょびちょび読む。なにかとなにかのやりとり、「はたらきかけ」についての示唆が多く含まれているような。松野孝一郎「内部観測とは何か」は一昨年くらいに買ってちょっと読んで放置していたけれど、そろそろ読む時期なのかもしれない。http://d.hatena.ne.jp/k11/20071004であとがきを引用している。ほいでさらにこの日の日記に、『「うた」は「うたう」ための言い訳というか「うたう」ことに先立つものであるけれど、「うたう」のは「うた」のための言い訳というか「うた」に先立つものでもある』と書いていて、なんのことやら分からないが、いや書いた本人は分からなくもないのだけれど、いや結局はよく分からないが、たぶん「行為すること」と「様式・形式」の関係のことだと思う。姉ちゃんが元町のグリーンズコーヒーロースターで買ってきたコーヒー豆は「パナマ」で、パナマのは飲んだことないので、多少うきうきする。豆の色はうすい茶色。他の産地のと比べるとかなり薄い気がする。味は、わりとさっぱりで軽く酸味があるように思うけれど、一般的にはどういうものとされているのか、「コーヒー豆 パナマ」で検索してみる。カフカの「断食芸人」という(ふたつの短編集ともろもろを集めた)短編集(白水Uブックス)もときどき読むけれど、いちばん最初に収録されている短編(といっても3つの段落しかないかなり短いやつ)「新しい弁護士」の最初の段落がどうもおかしくてすごい。

 新しい弁護士である。名前はドクトル・ブケファロス。外見的にはマケドニアアレクサンドロスの軍馬だったころの面影はほとんどない。しかし、消息通にはわかるようで、つい先だって私自身が正面の外階段で目撃したのだが、競馬好きの裁判所の傭い人が、しがないなじみ客の目でもって高々と脚をあげ、大理石にカツカツと音をたててのぼっていく弁護士を、じっと見つめていた。

昨日の深夜、ということは今日じゃないな、いや感覚としては今日はまだ今日だけど、昨日の深夜であることには変わらないので、昨日の深夜にNHKでやっていた、学校司書のおしごとの番組で、これはたしかいろんなお仕事を紹介する、みたいなやつだったと思うけど、小学校の図書館で司書をしている女性が出ていて、週に1回かどうかわからないが、ある学年の男子と女子を図書館に集めて「ブックトーク」という催し、というか授業か、をやっていて、これは大雑把にいえば、あるテーマに沿って、子供たちにいくつかの本を紹介していくもので、ちょっとだけ朗読したりして、本を紹介していく。ひとりの先生を10人くらいの子供たちがみつめている。先生は朗読したり紹介したりしながら、子供たちの反応をうかがっている。という光景をみて、これはパフォーマンスだな!と思う。パフォーマンス以外のなにものでもない。子供たちの反応がいいときもあれば退屈そうなときもある。風邪が治らない妹に聞いたのだけれど、ナベアツさんをこのごろ見ないな、とひとりごちてみたときに聞いたのだけれど、そしたらこのまえいつもとは違うネタを見たとのこと。レッドカーペットかなんか分からないが、自転車でステージ中央にやってきてやおら自転車をひっくり返しサドルを下にして置いて、ペダルを手でこいで、ぐるぐる回っている後輪に靴を乗せ、車輪の回転によりはじきとばされた靴で、自転車から離れたところに置かれたペットボトルを倒す、っていうネタで、3回目くらいに成功して、終わりらしい。youtubeで探してみたけれど、このネタをやってみました、っていう映像しか発見できず。というか、これって私(たち)がやっていることにそっくりというか、私(たち)がナベアツさん、というか「お笑い」にそっくりなのか、とにかく身に覚えがありませんか、平間君よ。やはり私は「お笑い」なのか。「お笑い」はむずかしいな。