■2007年4月30日(月) 
SOUNDbedROOM -RINGER RAINBOW SESSION-
虹釜太郎(360°records/CLAY)
aen(commune−disc/CLAY)
secai(NSD+DASMAN)
MTR(CARRE)
Taishin Inoue (orasp)
オシロマコト
kojime(予定)
米子匡司(samuraijazz)
恥骨
小田寛一郎
.............. and moremoremore!!!


20時40分くらいに新宿に着いて
電車の経路でいろいろ迷いながらも六本木に着いて
六本木ヒルズを眺めたりしながら
(という形容もおかしいことに実際来てみて分かった。
私が眺めていたのはその中のビルのひとつだ。)
22時くらいにスーパーデラックスに着いて
バス移動の疲れか頭痛がするので薬屋を探したり
あきらめてしばらくぼんやりしたあと
0時あたりにアウラノイザスのふたりに連れられてブレッツに移動。
もうすでになにやらセッションが始まっていて
ぐるりと見回すとギター+コンピュータ、サックス+コンピュータなどなど
楽器とコンピュータを使う人ばかりでびっくりする。
なんだか白熱していたしこのセッションにも周りの人々にも馴染めないので
薬屋を探すという名目で米子君と夜の六本木散歩に出る。
日付が変わっているにも関わらず人がかなりいるのと
ツタヤとスターバックスが開いていることにびっくりする。
やはり六本木は夜の街なのだろうか。
歩きながらさっきのセッションについてふたりで話していたら
スターバックスラテをズボンにこぼしていたことに気付かず
あとで見たらシミになっていて帰ってから洗濯しても取れなかった。
セッションといいつつも「ああいう」セッションとして
分かりやすいかたち、やりやすいかたちで
みんなが絡んでいるように見えて、
それでなくても一度流れをつかんでもすぐ手放す勇気がないと
すぐに淀んでしまうのに、なかなか難しいと思った。
とはいっても後日、この時やっていた井上泰信君と話していて
セッションをいろんなものが出会い何かが生まれるかもしれない場として
ポジティブな意味でやっていこうとしていることにとても好感を持った。
セッションにはひとつの面では捉えられないいろんなことがある。
まずは(自分が音を出さない時でも)最初から最後まで聴かない事には始まらない
という井上君の言葉はすごくいいと思う。
帰りは商店街を抜けて少し迷いながら戻る。
戻ると人がかなり少なくなっていて
外でたむろしたりどこかへ消えたりしているようだった。
ちょうど鈴木さんもやってきて、特に仕切りがあるわけではなさそうなので
この隙に音を出そうということで米子君とふたりでいろいろやりだして
すごくロマンティックなピアノを弾く人と絡んだりしつつも
1時間くらいは流れが来ないというか別に何も起きずダラダラと過ぎる。
だんだんとダラダラを超えてダラダラし始めた時に
たまたま米子君がピアノを弾いていたので
それを録音して素材として使ってみたところ
なんだか流れが動き出して、あとで名前を知ったが
金子由布樹君という人がコンピュータで入ってきたり
動きのある時間が2時間くらいあって
そのあと少しだけ井上君など知らない人も入ってきて
少し経ったところでいきなり野球場か
なにかの祭りのような音が大音量で入ってきて
DJブースのところにいる人の音だけになってしまい
セッションも終了した。
ラップというかなんというかなんだかサブカルっぽい
そういうパフォーマンスをしにきていて
完全に自分たちだけのステージになっていたので
疲れていたしさすがに辛くなって外に出た。
それがたぶん恥骨というユニットだったのだろう。
ああいう人たちとは音楽としても人間としても
できれば関わり合いにはなりたくないが
関わってみると意外に面白いのかもしれない、といっても
そんなことはやってみないと分からないが
しんどそうなのであまりやってみたくはない。
だいたい5時か6時だったか、いろんな人に挨拶をして
ブレッツをおいとまして野外録音の場所を探して六本木をうろつくも
なかなかいいところがなくて、休憩のために入ったマクドナルドで
どうもマクドが24時間営業なのをいいことに
渡り歩いているらしきおばちゃんを見る。
トイレで髪を洗って紙ナプキンでふいていた。
あと、なぜかは分からないがインド人の店員に
「ちゃんとやらないと明日もチェックするからね!」
と説教していた。
ものすごく興味があったのだが怖いのであまり見ないようにする。
もうひとりの同じようなおばちゃん(というよりこちらはばあちゃん)と
六本木も治安がよくなった、というような話をしていた。
フィレオフィッシュハッシュドポテトとコーヒー牛乳(カフェオレというより)を
いただいていたらだんだん眠くなってきてそのあとの地下鉄移動が辛かった。
なんとなく移動しようということで
六本木から日比谷線に乗って茅場町で降りてみるも
ただのオフィス街で何もなくあまりに眠かったので
宿泊させてもらう友人との約束の時間まで
そのへんのドトールとかそんな感じのチェーンの喫茶店
テラスというと聞こえはいいが、
ただ単に外に机と椅子があるだけの席で少し眠る。
いつのまにかその喫茶店も朝のお客でいっぱいになり
道を行く会社員の人たちも増えていた。

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■2007年5月1日(火)
9時ごろ中野の友人宅に到着。
ひとしきりいつのまにか完結していた
松本大洋「ナンバーファイブ」を読む。
気付くとソファで少し眠っていてその後中野ブロードウェイを散策。
南海キャンディーズしずちゃんを見かける。
まんだらけ〜〜とか〜〜まんだらけとか
まんだらけだらけだった。
古本屋でマクルーハンについての本を買う。
タコシェにも寄る。
夜はもつ鍋。

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■2007年5月2日(水)
川口君、米子君と井の頭公園散策。
池があってここまで広い公園は初めて。
カントリーみたいなロックみたいなものをやるじいさんや
クラシックを演奏するバイオリニストや
楽器の名前を忘れたが綺麗な音のする民族楽器の人や
アコギにアンプを繋いでひたすらボサノヴァをやっている人など
ただ散歩している人以外にもいろんな人がいた。
ボートに乗ってコンピュータで音を出しながら録音するも
テープレコーダーが不調で録音が途中で止まっていた。
手漕ぎボートは漕ぐのがむずかしいが面白い。
公園入り口の焼き鳥屋でいろいろ食べる。
そのあと、100年という古本屋とディスクユニオンによる。
100年で岡田利規「わたしたちに許された特別な時間の終わり」を600円で買う。
こうやってその日の目印になりそうなことを書き連ねていると
出来事と出来事が独立して存在しているようだけれど
実際にはそんなことなくてずっと繋がっているにも関わらず
ただぼんやり移動している時間とかそういうものを言葉にするのは
ものすごく難しい。
絵にならないというか言葉にならない。
人間はどこかでいろいろな経験に優先順位をつけて
それに従ってものごとを記憶しているような気がしてくるが
ただ単に覚えにくい曖昧なことは想起しにくいだけなのかもしれない。

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■2007年5月3日(木・祝) 
(h)ear rings vol.13
・小田寛一郎 ソロ
・川口貴大 ソロ
宇波拓、吉村光弘 デュオ
・角田俊也 ソロ


・角田俊也 ソロ
金属のワイヤーとモーターのようなもの、オシレーターなどを使った演奏。
ワイヤーがモーターで揺れる音が純粋に綺麗だったので驚いた。
構成はあらかじめ決めてあったようなのだが
オシレーターのピッチの変化と他の音の関係や
それぞれの時間の構成の関係は見えなかった。
見えなくてよかったのかもしれないし
見せないようにしていたのかもしれない。
角田さんの佇まいが工場の機械を点検するエンジニアのようだった。


・川口貴大 ソロ
キッチンタイマーメトロノーム、音叉の弓弾き。
何も構成を決めずにやると緊張してあせってしまうため
あらかじめ決めてからやると言っていたその通りに
構造は極めて単純だけれど構成されていて
それぞれの出来事がはっきり見える。
たくさんのキッチンタイマーが次第に止まっていって
だんだん静かになっていくのは
川口君の意図に反して(いるのかいないのか)とても儚く美しい。


・小田寛一郎 ソロ
ふたつのテープレコーダーとふたつの空の10分テープで
部屋のもろもろを録音、再生+録音、再生+録音、再生+録音。
再生のボリュームを最大にしていたので部屋の音だけといえども
どんどんフィードバックというかうるさくなっていく。
このやり方を始めた時からなにげなくテープレコーダーを手に持って
録音再生巻き戻しなどの操作をやりながら移動したりもしていたのだが
この時初めて手に持つかどうか、移動するかどうかを意識する。
演奏、音楽との距離感の問題なのだが、
この時は演奏から遠ざかるつもりだったので
手に持ったり移動したりは紛らわしいと反省したのだが
いま思えば、
絶対に見えないところまで遠ざかるのは原理的に不可能であるにも関わらず
ただひたすら遠ざかろうとするのもなんだかつまらないので
中途半端で曖昧なポイントを探るのがいいかもしれない。
大阪の時も指摘を受けたのだが
Alvin Lucierの作品に「I'm Sitting in a Room」という作品があって
朗読のテープの再生録音再生録音の繰り返しで会場の音響特性を聴く作品らしいが
結果としてはこの時の私の演奏とすごくよく似ていて
そのようなものとして聴いた人がほとんどだと思うが、
思考の段階では文字通り抽象的なことが
実際の出来事になったとたんにいろんなものを連れてくること
そのものがとても興味深く面白いと思った。
それらを征服し統制するのが芸術だとは思いたくない。
演奏の後、急遽作っていったCDRが三枚売れた。
ありがとうございます。


宇波拓、吉村光弘 デュオ
宇波さんはアコースティックギターにピックアップをつけてアンプを使用、
吉村さんはいつものマイクとヘッドフォンのセット。
宇波さんのフィンガーピッキングは初めて聴いた。
ゆったり弾いていたかと思えば一瞬だけ速くなったりと
おかしな感じに伸び縮みする演奏。
宇波さんがはっきりしたメロディを弾いているあいだは
息をひそめていた吉村さんの音も、単調なフレーズやギターの音が止んだ時には
突然意識に上ってきて、このふたりの演奏を聴いているあいだ
そういう行ったり来たりについて考えていた。

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■2007年5月4日(金・祝) 
(h)ear rings vol.14
・吉村光弘 ソロ
・平間貴大 ソロ
・伊東篤宏、吉村光弘 デュオ
・川口貴大、小田寛一郎 デュオ


・吉村光弘 ソロ
開場のあいだ、流れていたジャズのCDと一緒に
マイクとヘッドフォンのフィードバック音も出ていて
吉村さんはそのあいだ客席に座っていた。
ジャズのCDを止めたところで演奏開始。
しばらく客席でじっとしたあと
マイクとヘッドフォンの方に移動する。
ただこれだけのことだが
吉村さんの意図というか欲望がはっきり出ていた。
マイクとヘッドフォンのフィードバックという
それだけでも勝手に音が鳴り続ける出来事を
「演奏」として吉村光弘というひとりの人間の中に取り込み
「音楽」としてもう一度出力する。
その一連の操作をこの時、演奏の中で示したのかもしれない。
そのようなことを強く感じさせる演奏だった。
しかしこれも一種の征服だと言えなくもないような気もするが
だからといってどうってことはないというか
そういう感じもあるような気がするというだけで
それについて特に思うところはあまりない。
いまふと、倫理について考えが及んだのだが
倫理と趣味嗜好は結局個人に属さない単に選び取るだけのものかもしれない
という気持ちがあるので、これらにさほど違いがないようにも見えるが
ただそう見えるだけで違うのか違わないのかすら私には分からない。


・平間貴大 ソロ
割れた石膏像とアンプ、エフェクター、テープをつかった演奏。
割れた石膏像の中にはマイクが立てられていてそれが
エフェクターを経由してアンプに繋がっていた。
テープを再生して演奏を開始した直後になにか失敗したらしくもう一度やり直す。
この時一回わざと失敗するという、テーブルマジックでよくあるトリックを
思い出したが特に関係はなかったようだ。
テープからは最初と中程と最後に音が出ただけで
無音か無音に近いものだったようだ。
中程にはいきなり弾き語りが流れてきて
どこかの路上で録音してきたものだと思っていたら
どうやら山本精一の曲らしい。
割れた石膏像の中にはマイクが立てられていてそれが
エフェクターを経由してアンプに繋がっていたのも
ボリューム0のアンプからの出力がエフェクターを経由して
石膏像の中のマイクから出ていたらしい。
いまでもこの時の演奏の意味は分からないが
たとえ作者が意味を込めずとも意味なんて勝手にどこかから生まれてくるもので
(といっても人それぞれの解釈があるということでもないような気もするが)
かえって作者が意味を込めた(と思い込んでいる)ものの方が
貧しかったりもすることもあるかもしれないから、
そのまままるごと覚えておこうと思う。
あとでなにか見つかるかもしれない。
平間君はいつもテープレコーダーを持ち歩いて常に録音しているが、
それは音楽的な興味という狭いことではなく
録音という「記録すること」について考えているのだと思う。
「記録すること」への興味という点で私と似通ったものがあるので
今回出会えてとてもよかった。


・川口貴大、小田寛一郎 デュオ
川口君はキッチンタイマーメトロノーム、音叉の弓弾き、
私はふたつのテープレコーダーとふたつの空の20分テープ。
私の録音、再生+録音、、のプロセスの区切りが10分毎に訪れるので
それに合わせて川口君も演奏することを事前に話し合った。
最初の10分間、私はテープレコーダーを空いている席に置いて
ただ録音しているだけなので音はなく川口君のキッチンタイマーの音だけ。
そして10分経過し巻き戻しているあいだ、
川口君は次の場所にキッチンタイマーを置いていき
そのあいだを縫って私も次の場所にふたつのテープレコーダーを置きにいく。
次の10分から再生と録音をふたつのテープレコーダーで同時に行うのだが
再生の方の音量が低すぎてちょっと離れたところにいた私にも
聴こえないくらいで近寄ってもあまり聴こえなかったので
テープレコーダーを置いた席の隣の席の人にも
聴こえないくらいだったかもしれない。
巻き戻しのロスタイムがけっこう長いのと
再生の音があまり聴こえなかったのとで
川口君の次の10分の演奏開始が早くなってしまい
妙なズレがでてくるが、そんなにどうってこともなかった。
次の10分はボリュームを調整したので前の10分の川口君の
キッチンタイマーメトロノームの音がテープレコーダーから聴こえてきた。
川口君は今のキッチンタイマーの音とテープから流れてくる
さっきのキッチンタイマーメトロノームの音が聴こえる中
音叉の弓弾きをやっていた。
次の10分は本来ならテープレコーダーから
さっきの音叉の弓弾きの音などが聴こえてくるはずなのだが
テープレコーダーの不調により録音が止まってしまっていたので
仕方なく空テープのまま再生しながら録音した。
キッチンタイマーの音がだんだん消えていくも
再生の方のテープレコーダーからは何も音が出ていないので
録音の方のテープレコーダーが録音を終えるまで待って
演奏を終了した。


・伊東篤宏、吉村光弘 デュオ
以前見た時はすでにエフェクターを使っていた伊藤さんのオプトロンだが
今回はシンプルに蛍光灯のみでその電磁波をラジオで拾っていた。
吉村さんはいつも通りマイクとヘッドフォン。
大阪のイベントの時からずっとそうだったのだが
自分の演奏の時でも人の演奏の時でもなぜだかずっと立っていて
この時だけは座ってしまったためか少しウトウトした。
伊藤さんのオプトロンと吉村さんのフィードバックを
同じ場所で鳴らした、というそれだけで
それはそれでただそれだけっていうのもなかなかないので興味深くはあったが、
ウトウトするくらいの聴き方しかできなかったので
この時の自分の印象はほとんどあてにならない。

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■2007年5月5日(土) 
吉村さん宅の近所のお寺の池でボーッとしていると
あまり聞いたことのない鳥の声が聞こえてきた。
カモだかアヒルだかそういう鳥も池にいた。
昨日、円盤とスモールミュージックに行く後だったか前だったかにも
寄った高円寺の百音(モネ)という喫茶店にみんな集まって話したり
お客のいない時を見計らって音を出したりする。
参加者は私、吉村さん、米子君、平間君、平間君の友人でもあって
昨日のイベントにも来てくれていた井上泰信君、
3rd personというバンドをやっていて名前は以前から吉村さんに聞いていて
昨日紹介してもらった小林達夫君。
昨日の打ち上げでも非常に面白かったのだが、井上君のはなしは面白い。
接続詞の使い方が変ではなしの流れと関係ないところで
言葉がところどころ脱臼する。
吉村さんはいつものマイクとヘッドフォンのセットではなく
レコーダーとヘッドフォンでレコーダーのマイクの出力を
ヘッドフォンに繋いでいたのだが、
かなりヘッドフォンを近づけないと音が出なかったり
出てもあまり変化のない音だったりするのだが
そのそっけない音とたまに出なくなっていきなり切断されたりするのが
面白いと思ったのだが、吉村さんはそうでもないようだった。
平間君は大量のテープを縦に積んだり横に積んだりしていて
それを吉村さんに危ないからと注意されているのが面白かった。
小林君はラジオ、米子君はラップトップでなにやら音を出していたが
ほとんどしゃべっているだけだったのであまり覚えていない。

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■2007年5月6日 (日)
Corrie Befort
Beth Graczyk
yuki enomoto
Angelina Baldoz
Jason E Anderson
川口貴大
小田寛一郎
山口晋似郎


雨。
友人から傘を借りてコンビニまで行き
でかいやつに買い替えるも
打ち上げに行った店で無くなったので
違うけれど同じサイズのを持っていった。
中野で前の会社のかつての上司と待ち合わせ
中野ブロードウェイを散策。
この人は方向音痴で放っておくと
同じところに辿り着いたりするので面白い。
やはり仕事は忙しいらしい。
17時くらいに別れ、渋谷のHMVへ。
青山ブックセンター渋谷店の三太ブックフェアに行くも
吉村さんが言っていたように少し分かりにくく
どこか探してうろうろしてしまった。
角田さんのセレクトが面白かったように覚えているが
結局具体的な書名を覚えていないのはなぜだろう。
デザイン関係のコーナーにあった
佐々木 正人「レイアウトの法則?アートとアフォーダンス 」が
気になったが旅先で本を買っても荷物になるだけなので
帰ってから買う事にする。
その後、タワレコ渋谷店に行くも特になにも。
リフレクションの新譜を試聴する。
友人から聴かせてもらったファーストアルバムは
うまいというか端正な印象が残っている。
タワレコから駅に向かう途中に川口君から電話。
20:30から始まるかもしれないとのこと。
この電話のあと、なぜかテンションが下がってしまって
なぜかはよく分からないまま20:00ちょっと過ぎに池袋到着。
川口君に迎えに来てもらってなんか食べようということで少し歩くが
あまりに適当に歩き過ぎて何もないところに行きそうだったのと
川口君がトイレに行きたいとのことで戻ってコンビニに行き
場所だけ教えてもらって私だけ何か食べに少しうろうろしたら
吉野屋があったので牛丼とけんちん汁を食べる。
なんか牛丼の味が違ったような気がした。
やたらでかいジュンク堂があると思ったら池袋のは本店だった。
だいぶ前に大阪南森町付近の高架下で米子君、みつ君と音を出した時
たまたまその場でサイン波の単調な繰り返しのプログラムを作って
音を出してみたらトラックがバックする時の音のようで
それがどう面白いのかは分からないままずっとひっかかっていて、
今日の会場のカフェポーズに着いた時にふとそれを思い出して
携帯電話のシンプルな着信音も似たようなものだと思い
携帯電話の着信音を鳴らしてみることにした。
二人のダンサーが参加するとのことだったが
Beth Graczykさんがどうやらご家族の事情で来日されていないらしく
その代役ということなのかエノモトさんという女性の方がいらしていた。
会場についてみなさん紹介してもらってちょっとだけ話すが
やはり英語力、少なくとも聞き取りの能力が必要だということを痛感する。
まず相手の言うことを理解できなければ身振り手振りで返事をすることすらできない。
Jasonさんは普段はラップトップも使うらしいが
この日は音叉がいくつかとその音を拾うマイク、エフェクター付きの
割とでかいサンプラー、小さめのモニタースピーカーだった。
Angelinaさんはトランペットとなんだか小物もあった気がする。
Corrieさんとエノモトさんはダンス。
山口君はアコースティックギターと鍵盤ハーモニカ、
川口君はメトロノームと久しぶりのコルネットとなにやら小物。
演奏の前半はアメリカからのふたりがメインというか主に音を出していて
私はごくたまに携帯電話の着信音を鳴らしてその他の時間は
音やダンサーの動きを含む会場全体を眺めたり
向かいの窓から見える木を見て過ごした。
川口君はコルネットをぶくぶく鳴らしたり、
山口君は全体通してものすごく控えめだった気がする。
ギターの音がちょっと、ハーモニカの音はもっとちょっとだった。
後半、コードを突然鳴らしたのがふっと意識が切り替わって面白かった。
後半、テープレコーダーをひとつだけ使うことにして
ただひたすら録音と再生のボタンを交互にカチカチ押し続けていると
川口君のメトロノームの音が同じリズムでかぶさってきて
それと合わせるわけでもなくいままでのペースで押し続けていて
ふと、会場のみなさんからは、いまの自分は狂っているようにしか
見えないかもしれないと考えてみて面白がったりしつつ
テープを再生しながら早送りしたりなど
テープレコーダーのスピーカーからも音を出してみた。
後半は会場全体の風景を全く見ずにテープレコーダーだけを凝視していたので
無音が続いても無音だな、としか思わなくて
それでもたまに何かのボタンを押してみたりしていたのだが
強い視線を感じて顔を上げると川口君がこちらをじっと見ていて
何事かと思い目を逸らしてしばらく経ってもまだ見ているので
やっとそれが演奏を終えようとしている合図だと気付いて
テープレコーダーをテーブルに置いたところで演奏終了。
意外にもなんらかの手応えを感じる。
やはりテンションが下がっていたことによる
なんらかの覚悟が良い方向に作用したのだろう。
打ち上げは直嶋君に連れられてホッピーの旗がやたら目立つ居酒屋へ。
直嶋君だけ日本酒のようなものを飲んでいたのが面白かった。
平間君も直嶋君もそうだが実際に会ってみると全然印象が違った。
同じくらいの歳だし自分とそう変わらないはずなのに
なぜだか気難しいような印象を持ってしまっていたのは何故だろう。

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■2007年5月7日 (月)
巣鴨に行こうとするも
米子君と新宿で待ち合わせ
表参道の方に行くことにする。
新宿では新宿中村屋のカレーを食べる。
何年か前に食べた事があって美味しいのは美味しいけれど
実家にあるカレー屋ほどではないと思っていて
それでもやっぱりかなり美味しい。
表参道は神戸っぽいとか話しながらナディッフへ。
田中功起の展示が目的で行ったのだが松井茂の短歌も面白かった。
洋書がレジでくじを引いて20〜100%OFFだったので
洋書でなにかないか探したが見つからなかったので
田中功起の作品集を買う。
金沢21世紀美術館の「リアルユートピア展」で見た
時計を使った作品も面白かったが、
今回の「サウンド・テストほか」も面白い。
タイトルの「ほか」がとてもいい。
米子君と併設のカフェでいろいろとはなしをする。
いろいろと思いつくがこの中のどれがどれにどう作用するのかが楽しみである。
その後、カウブックス南青山へ。
レタリングシートと古いポストカードの束から海と教会のものを買う。
どこかで音を出してみようということになって
近くにお寺を見つけてその門のところで音を出してみる。
米子君はお寺の手を洗うところから水をもらってきて
筒とペットボトルを使って水をポタポタ。
私はテープレコーダーの各種ボタンをいろいろ押して時々再生、早送りなど。
東京初日にスーパーデラックスでも刺されたがここでも蚊に刺される。
そのへんの石に座っていたらいつのまにか居眠りしてしまい
テープレコーダーを地面に落としてしまいびっくりする。
60分テープの片面に録音して40分くらいで切り上げ
なにか食べようと表参道をうろうろする。
あまりなにも見つからずスープカレーの心に落ち着く。
その後、原宿まで歩いて夜の竹下通りを歩いてみるものの
クレープ屋しか開いていないが、そんなに人もいないのに
なぜクレープ屋は開いているのか不思議だった。
さらに渋谷まで歩きながら、改めて東京は広い、というか
せまい範囲にいろんなものが詰まっている、というようなはなしをする。
中心部のあたりは街と街の「あいだ」というものがない気がする。

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■2007年5月8日 (火)
巣鴨から横浜、大阪へ。
米子君と巣鴨で待ち合わせる。
その前にカウブックス中目黒店に行こうとするがあきらめる。
巣鴨おばあちゃんの原宿という話を聞いていたが
確かにおばあちゃんばっかりである。
おじいちゃんよりもおばあちゃんが多い。
とげぬき地蔵では何かの像を洗うとご利益があるらしく
長い列ができていてその列を仕切る柵というか手すりのようなものまである。
そしてその手すりの外から、像を洗うために並んでいるおばあちゃんたちに
健康食品、健康商品を売りつけるおっさんたちが話しかけている、ように見えたが
もうおばあちゃんたちを見ることもなくなげやりに独り言のように
自分の商品のはなしをしているか、ただ突っ立っているだけだった。
いかにも町の食堂らしい食堂でレバ入りニラ炒め定食を食べる。
あくまでニラ炒めにレバが入っているだけでニラレバ炒めではないらしく
壁に貼付けてあるメニューの中のニラ炒めという文字の横に
赤文字でレバ入りと書いてあった。
今年の初詣で初めてベビーカステラを食べて美味しかったので
どこか出かける機会のあるごとにそのへんに屋台が出てないか
注意していて巣鴨にはあるかもしれないと期待していたのだが
残念ながらなかったのであまり美味しくはないクリームの今川焼を食べた。
機会仕掛けの大時計があると観光案内図で知りうろうろと歩いてはみたものの
見つからず、仕方がないので庚申塚という小さな神社におまいりした。
近くに線路が走っていてどうやら都電の線路らしく
なんとなく乗ってみたくなったので庚申塚駅から乗り込むことにして
しばらくはその辺を散策する。
古本屋を見つけて入ってはみたもののいかがわしい本ばかりだった。
駅に戻る途中にたこ焼き、やきそば、巻き寿司などいろいろある店で
今川焼を買って店先で食べていると、おばあちゃんに声をかけられて
「勝手分からないんだろ、そこの駅のところで座って食べな。」
というような事を言ってくれて面白い町だと思った。
この「だろ」の優しいイントネーションが独特というか
こういう言い回しはもちろん関西にはないので新鮮。
都電には庚申塚駅から乗り込み大塚駅でJRに乗り換え。
乗っているあいだ、おばちゃんたちの集団に遭遇。
なんというか本能の赴くままというか動物のようだった。
大塚駅からJRで渋谷を経由して東急東横線にて菊名へ。
けっこう近くて25分くらいで着く。
菊名からはバス移動。
着いたところでコミューンの鈴木さんに電話して
ウイ・ディストリビューションの事務所(?)、倉庫(?)へ。
社長の山崎さんはとても面白い人で戦前のジャズ、クラシックのはなしや
横浜にいるカベさんという演奏しなくてもというより演奏してない方が
すごいというよく分からないがだからこそ
存在自体がロックであるような人のはなしなど。
暗くなってきて仕事が済んでから4人でセッションする。
山崎さんは別の部屋からバイオリンとか太鼓とかいろいろ持ってきては
音を出していて最後は太鼓で落ち着いていた。
鈴木さんはテープレコーダーとCDプレーヤー、ポータブルレコードプレーヤー、
小さいカオスパッド、小さいスピーカーとCD、レコードたくさん。
全部電池で動くらしい。
米子君はラップトップと小さなスピーカー。
私はテープレコーダーひとつ、後ほどラップトップ。
こういう何の意味も目的もないセッションのいいところは
ただ4人が4人としているところではなかろうか。
絶対に4人が8人分であろうとはしていないし
そもそもなるなんて思い込んで何かを起こそうと力んでもいないから
なんというかそのバランスが面白いと思う。
1時間半くらいして鈴木さん命名、ポータブルセッションは終了。
その夜の横浜発大阪行バスに乗る予定だったので
山崎さんに車で菊名まで送ってもらい横浜へ。
JRの駅からバスターミナルまでの横浜なので
何も横浜らしさは感じることなく横浜を発ち
眠っているあいだに大阪へ。