2/25、otosoraライブのためのメモ


otosora自体は活動を停止しているので
今回はotosora名義ではあるけれど
ゲストを5人迎えた僕の作曲作品のようになっている。


メンバーはこの8人


大谷修平(コルネット、ベース)
米子匡司(トロンボーン)
小田寛一郎(ギター)
竹内光輝(アコーディオン、フルート)
川口貴大(コルネット)
東岳志(自作楽器)
キースヒューズ(コントラバス)
鈴木勝(バンジョー)


以下、スコアについて


黄金比に基づき時間を分割したスコアによって
音の始まりと終わりを1ユニットとして指定しているが
どのポイントで発音してもよい。
(そういえばカールステンニコライが最新作「シンクロン」で
パーフェクトスクエアに基づく時間分割をしているらしい)
なのでどこで誰と誰の音が重なるかはその時々で決まる。
音を出す前の動きや前後の文脈である程度は読めたりもするが
その部分でどう遊ぶかがこのスコアの面白いところ。
あえてベタにいくのも流れを裏切るのもパスするのも自由である。


このスコアのアイデアは今回のライブのオファーが来る前から
暖めていたもので、当初は非楽器、または楽器の非楽器的奏法を
イメージしていて、楽器による調性を取り入れようとは一切思っていなかった。
けれど、いざキーを決めてやってみると
このスコア上でしかできないことがたくさんあって
かなり面白い結果をもたらすことが分かった。


またもうひとつ当初の目論見とはズレたにも関わらず面白かったこととして
限定された関係の中で演奏を人と合わせていく事、がある。
即興セッションにおいて、むやみに人と合わせたり
中心ができてそれに沿っていったり、そういう演奏に疑問を持っていて
そうならないためにはどうしたかいいかを考えたひとつの結果がこのスコアで、
同じ時間の同じ場所での8つのソロ演奏みたいになるかと思っていたら
スコアを介した間接的な人と人のやりとりが生まれていて
そっちの方が断然面白かった。
時間を区切るだけでも全体に与える個人の影響力はかなり限定されていて
完全即興だとどうしても生まれやすい流れが滞った時の冗長さも全くない。


今回の演奏のポイントをまとめると
個々の演奏者の振る舞いがスコアを介して
間接的に作用することによって
その時々の全体の構造が生成されること
だろうか。


コンピューター内のプログラムでも
同じようなことはできると思うが
「個々」の部分を人間に置き換えるだけで
こうも変わるとは思っていなかった。


あと、黄金比によって導き出される構造についての実験
という意味合いもあったのだが
今回あまり表に出てこなかったので
また別の形で試してみようと思う。