明日からまた東京。10日まで。「目上の人への敬意」ということでいえば、師匠と弟子、みたいな関係がなくなってきたとかそういうのもあるのかなーと、 事務所にあった、Fさんが持ってきてくれたという立川談春「赤めだか」を読んでいて思った。まえお世話になっていた会社もどっちかといえば、徒弟制度みたいなもんが残っていて、30代後半から40代のデザイナー、というよりも職人(チラシ職人)に20そこそこの新人がひとりづつつく、みたいな編成でまさに師匠と弟子。弟子は師匠の仕事のバックアップというか、さまざまな雑用(いろんな手配とか)を師匠に言われるまえにやる。おーい、〜〜やっといて。はい、やっておきました。がいちばんベスト。で、だんだんそういう雑用をやりつつ自分の仕事も持っていく。レギュラーの仕事をもらえるようになると師匠のお手伝いとの両立がかなり大変になるが、どちらもおろそかにはできない。はっきりいって、その頃がいちばん頭の回転が早かったと思う。頭が回転する音が聞こえていた。いまはもうだらけにだらけている。仕事の段取りとかは面白いけれども、デザインというか、もっと大雑把に、視覚的対象の操作は自分には向いていなかったと思う。向いていないというか、向き不向きではなく、基本的技術のあるなしかもしれない、単純に。なにかを視覚的対象として見る技術というか。視覚的な感覚というか。うーん、そうこう思えば、別に師匠と弟子みたいな関係がなくなってきているわけではないような気もする。どんな仕事にも先輩後輩、師匠と弟子みたいなのはある。厳密な意味での徒弟制はないかもしれないけれども。そろそろ明日の準備をしよう。12時ちょうどくらいに羽田に着く。