気がついたときにはもう東京にいて、殺した人の頭部は平間君に持ってもらっていて、Tシャツのうちっかわにこうぐるっと抱きかかえるように持ってもらっていて、それが誰の頭部かは分からないが、バスというかタクシーっぽかったけれど、たぶんタクシーだけれど、タクシーのなかで、いや、でも僕ら三人以外に周りに人がいない空間だったような気もするので僕らと運転手以外だれも乗っていないバスかもしれなくて、電車かもしれないが、もうひとりは実家の友達のはやしとみつ君が混じった感じの人物で、殺人に関して罪悪感がない、とかそういうことで怒られていて、殺人がいけないと一概には言えないとは言ったけれども、いけなくないとは言ってない、と言い訳していて、そう言いながらも前にふたり殺しているので、やっぱり自首した方がいいのかしら、模範囚になれるかもしれない、と思っている夢で、夢だと分かったらかなりほっとして、殺人はいけない!といまなら大きな声で言えるし、夢の中の殺人は吉夢らしいし、吉村光弘さんのはてなダイアリー(http://d.hatena.ne.jp/andsoon/)がぐるっとひとまわりしてまたエッジが立ってきているのが非常に良いことだと思って、なんだかんだいって吉村さんは自分がどうしても受け入れられない(受け入れたくない)ものごとについてしつこく考えていて、吉村さんが、自分の好きなものごと、というときの自分の好きなものごとは、自分が嫌いではないものごと、のような気がするから、すくなくとも、自分の嫌いなものごと、どうしても受け入れられない(受け入れたくない)ものごとについて意識しているところがまず違うし、あとなんというか吉村さんも私も自分で自分にケンカを売って自分で買うみたいなところがあって、というかどっちかといえばすべてがそういうひとり相撲のような気がするし、すくなくとも私が何かを気に入らないときは、それを気に入らない私が気に入らないのであって、腹が立つこととか気に入らないこととかからしか自分の思い込みは測れないし、腹が立つとか気に入らないとか思うのはやっぱりそれが図星だったり自分がそう思いたくないことだったりするわけで、私の場合はただ単に好きなものはもう好きだから、これからは嫌いなものを好きにしたい、というのもあって、

 僕の音楽や演奏や態度が気に食わない人や嫌いな人は、僕の音楽を聴かなければいいし、そんな方にはぜひとも聴かないことをお薦めします! 腹を立てるよりも聴かない方が体にもいいですし〜。やっぱり音楽は楽しまないとね。

吉村さんはこんなことを言っているけれども、仮に、吉村さんの音楽や演奏や態度が気に食わない人や嫌いな人がいるとして、彼らにはやっぱり、吉村さんから逃げたらもったいないし損をするよ、と言いたいし、私もべつに吉村さんの音楽や演奏や態度を100パーセント好きなわけではなくて、だからこそ面白いし、自分の好きなものごとなんて、単なる「快」であってべつに面白くはないし、そもそも他人を100パーセント好きになるとか、そんなのそう思い込まない限りは無理なはなしであるわけで(でも私はそう思い込んだりもするけれど)、といろいろ書いてみても、今の世の中、吉村さんみたいな人にはあまりお目にかかれなくて、ほとんどの人が私みたいに嫌われたくない人ばっかりだと思うし、といってもそりゃ吉村さんも嫌われたくはないだろうけど、その生き方ゆえに嫌われざるを得ない、なんて人はお目にかかったことがないし(なんで嫌われるのかすら分からない人はたくさんいると思うけど)、そういう意味でも吉村さんから逃げたらいけないし、腹が立つことにこそ「自分」が隠されているというのはほんとにひとつの真理だと思うけどなあ。