15:25伊丹発佐賀行の飛行機に乗る。最近は検査でいちいちリュックからパソコンを出さないといけないので非常に面倒くさい。席はA1、一番前の窓側。飛行機のなかでは引き続き樫村愛子ネオリベラリズム精神分析」を読む。読み終わったらまたすぐ再読するつもりでざっくり読み進める。佐賀空港につくと図書館から寄贈されたというリサイクルブックなるものがカートに積んであり、おひとりさま5冊までご自由にお持ちくださいとのこと。覗いてみるとほとんど知らないし面白くもなさそうなものばかりだが、なぜか福永信「アクロバット前夜」があったので持っているけどとりあえず回収する。あとは岩波文庫のドフトエーフスキイ(表記ママ)「カラマーゾフの兄弟」全4巻をありがたく頂戴する。1968.5/31付けの早稲田大学生協のレシートが挟まっている。佐賀駅バスセンター近くの「南陽」にてインドカレーを食べる。新宿中村屋と似ているがこっちはこっちで美味しい。家に帰りひとしきり猫と遊んだり南伸坊「モンガイカンの美術館」を読んだりメールチェックしたりしてフロに入り居間に戻ると、開けっぱなしにしていたibookのキーボードにお茶っぽい色の水滴がある。臭いを嗅いでみると、頑張って自分を騙せば濃いめのお茶の臭いだといえなくもないが、たぶん猫のおしっこで、なぜかibookのキーボードにおしっこしている。とりあえずキーをひとつづつ外して拭いていく。そのあいだ猫はうろうろしている。清掃中のキーボードの臭いを嗅がせて叱ってみるが、なぜ怒られているのか分かっているかがそもそも分からない。でも私は、みんながペットを(一方的にでも)愛することができるのは、意思の疎通が「ほとんど」とれないからだと思っている。なぜかゴールデンタイムにやっている木村拓哉主演のHEROの再放送を見ながら地道な作業。とりあえず一通り拭き終わって、起動もするのだが、臭いはやはり消えない。頑張って自分を騙せば濃いめのお茶の臭いと錆びの混じったような臭いだといえなくもないが、ファブリーズでもしてみようか。三太用の文章は一応締め切りに間に合う。読むことがひとつの経験になるように文章を書くのは、とてもとても難しいということだけはなんとか理解した。私の書いたものはたぶん批評ではないけれど、というか批評が何なのかイメージも湧かないほど批評のことを知らないのだけれど、そして知らないということは知らないでいる努力をしているのだと内田樹さんが「寝ながら学ぶ構造主義」で書いていたけれど、佐々木敦さんの批評ブログHow It Is2007年09月21日の日誌にある「批評家養成ギブス」第一回のためのメモより

批評は自己表現ではない。
しかし、自己表出を避けることもできない。


スタイル、ギミック、トリック 仕掛け


全てを書くことは出来ない 圧縮と省略と編集

という箇所が特に面白いなあと思ったが、ibookが温まってきたからか、濃いめのお茶の臭いと錆びの混じったような臭いが強くなってきたような気がする。