木下美紗都のうたごえが誰かを思い出すと思ったら
ぱぱぼっくすののびのびしたうたごえを思い出しているのだった。
「海 東京 さよなら」という10曲入りのアルバムの
そのうたごえは、曲が進んでいくにしたがってどんどんのびのびしていく。
興味を持ったきっかけは
セルフライナーノーツが10編の短編小説みたいだったのと
その思考のくせがなにかしら似ているような気がしたのと
「私は歌が歌いたいから自分の歌を作る。
仮に自信を持ってそう言ったとしても、
それだけでそこに自分と音楽を成立させることにいつも不審を抱いている。
だから私は歌いたいし、歌いたくない。」
という一節に驚いたからだ。
私は音楽がしたいから自分の音楽を作る。
仮に自信を持ってそう言ったとしても、
それだけでそこに自分と音楽を成立させることにいつも不審を抱いている。
だから私は音楽をしたいし音楽をしたくない。
別に音楽に限った事ではないし
このあとの行く先はたぶんそれぞれ違うところだろうけど
私の場合はこの腑に落ちなさだけが原動力になっているので
死ぬまで腑に落ちる事はないだろうと思う。