今日は神戸ビッグアップルにて毎月開催されている
『先端音楽実験会』のワークショップに参加した。
初対面のある人から宇波さんの追っかけの人だと言われたり
±0の傘を無くしたり、嫌な事もいくつかあったが
なかなか興味深かった。


今回は磯端伸一氏が仕切り人。
ワークショップの後には
・江崎さんソロ(John Faheyの曲を演奏)
・岩田江 (sax)、江崎将史(tp)、磯端伸一(gt)のジャズトリオ
・磯端さんの作曲作品(みつ君を含む総勢7人の演奏)
の3組のライブがあった。


ワークショップはというと、参加者(15人くらい)から
磯端さんが2人を選び出してデュオで短い即興をやるというもの。
その後に組み合わせを変えて4〜5人で即興。
僕はポータブルスピーカーのフィードバックで参加した。


最初は自己紹介としてソロでもやったのだけれど
どういう音が出るのかのサンプル的な音出しをして、
デュオはセミアコのギターの人とだったのだが
なかなか面白かった。
どういう人と当たろうが「ケーブルを長く持って
ブラブラさせながら接触させて音を出す」
というやり方は最初に決めておいたのでその通りにやってみた。
相手のギターの人も最初は所謂フリーな感じの演奏だったのだが
そのうち崩れてきて声を出したりいろいろやっていて
柔軟性のないこちらの音に臨機応変に合わせてくれていた。
ちょうどこちらの音が途切れた時にマイクに向かって大きなため息をついていて
その絶妙の間と冗談だか本気だか分からない感じが非常に面白かった。


その後の集団即興でも上記のギターの人とは同じ組で
あとはドラム奏者とクラリネット奏者の4人。
これもかなり音楽性(と乱暴に括るのは好きではないけど便宜上そう呼ぶ)
のぶつかり合いが起きていて、ギターの人は突然ジャズを弾きだすし
ドラムの人はひらすらせわしなく叩いていて、クラリネットの人も
ギターと全然違うピッチの音をわざと出してたり、
どこか落とし所を探すわけでもなくかなりバラバラだったように思う。
それでもなんというか全く知らない人同士なんだから
そういうものだとしか言えないような状況が面白かった。
変にみんなで擦り寄って最大公約数的な音楽になるよりはずっといい。
どっちにしても今日の演奏はどうやっても割り切れなかったと思うけど。


最後の磯端さんの作曲作品についてはちょっと思うところがあって
ピアノ、サックス、クラリネット、トランペット、ギター、チェロ、ミキサーの7人による
演奏だったのだが、ミキサーの電子音とその他の音の関わり合いがちょっとひっかかった。
まずミキサーの音だけ(だと思う)PAを通して大きなスピーカーで出していたのだが
演奏者の楽器から直接音が出ている他のアコースティックな楽器に比べて
まんべんなく全体に聴こえているので、場に与える影響力が大き過ぎると感じた。
(わざとそういう構造にしてあるのならば、それはそれで良いとは思う。)
もうひとつは、楽器の音と電子音を使った(音楽的な)音楽に顕著なことなのだけれど
電子音が音楽のフレームを縁取る飾りにしかなっていなかった。
ピッチのある楽器音とピッチのない電子音の場合特にこうなる場合が多い。
だからどうということもないが、楽器の音と電子音に関しては
もうちょっと違う形のものを聴きたいと思っているし
きちんと作曲された美しい音楽だっただけに余計そういう部分が気になったんだと思う。


とはいっても自分の楽器の音と電子音についての考え方自体が
なにか一定の方向に囚われ過ぎているようにも感じる。


みつ君の電子音自体は1点だけ演奏のミスがあったけど
非常に洗練されて音のキレも素晴らしいものだった。