自分が何者か分かりやすく誰かに伝えるのって非常に難しくて、なぜなら自分自身が「自分を何者とするか(思いたいか)」というイメージがないからなのだけれど、ということは、誰か初対面の人とコミュニケーションするときは、まあまあ私のことはいいじゃないですか、あなたの話を聞かせてくださいヨ、というのがいいかもしれない。何者だか分かんない人とお互いに何者だか分かんないままなんだか話がはずんで面白いというのがいちばん楽しい。そしてその何者だか分かんない人とまた同じ場所で会って、みたいなふうに関係が積み重なっていくのがベストなのだけれど、こういうのってわりと珍しいのかもしれない。FLOATではずっとそんな感じだったけど、いまのところFLOAT以外ではあまりないような。私は何者です!という名刺交換的自己紹介なしで、3年とか5年とかかけてちょっとずつちょっとずつお互いの考えや行動や状況を知っていき、関係を積み重ねていくことができる場所は、どういうふうにしたら育っていくのだろか。自分にとっては、そういう関係がいちばん大事だと思われる。