すこしずつばあちゃんは、弱っている、という言い方ではなく、状態が変化している、というふうに言うようにしている。箸を使わなくなり、飲み込むのがちょっとずつ難しくなり、食べる量も少なくなり、片手を支えていれば歩けていたのが両手をしっかり支えないと歩くのが難しくなり、最近は、やはり、当たり前のことではあるけれども、死がちょっと近付いてきている感じがする。死が近付くというより、死に近付くのか、死という状態に向かって変化しているのか、そもそも死は状態と呼べるのかどうか。