ゴロゴロに乗せたギターを持ち、本とか新聞とかチラシを入れたリュックを背負って家を出て、JRの方まで下っていってりそな銀行でお金を降ろしチケットショップで新大阪までの切符をくださいと言うと、なにやら2枚の切符を渡されて、どう使うかわかりますか、いや、わかりません、改札に入るときにこっちの1枚だけ入れて、改札を出るときにこっちも含めた2枚を入れてください、ああ、分かりました、というやりとりを経て、新大阪に着いたのは18時ちょっと前で、この前川口君と来たときにも思ったのだが、なんとなく新大阪の駅の改札があるフロアーは新宿駅に似ているような気がして、東側の改札を出て柱のあたりでステージネーム前田信子さんに送るメールを携帯で打っているあいだに、私の右手から左手へ通り過ぎて行く4、50代の女性で長い髪を後ろで結んでサングラスをかけナイロンジャケットみたいなのを着てスパッツのようなものとスニーカーを履いている、いわゆる夕方のジョギングの途中のような出で立ちの人が横目に見えていて、サングラスのこちらから見て右側あちらからは左側が不自然に上がっていて、なんでまっすぐかけないのかは気になったが気になったのはそれくらいで、特に問題なく通り過ぎて行ったので安心してステージネーム前田信子さんに「ぬらりひょん」という件名のメールを送っていると、突然左手の方から誰か声をかけてくる人がいて誰かと思うとさっきのおばさんで、申し訳有りません、ただいま百円不足しておりまして、と申し訳なさそうに言っていて、ん、なんだ、と思っていると、また、申し訳有りません、ただいま百円不足しておりまして、と言っていて、大きな駅にたまにいる財布を落として帰れないからお金を貸してくれという類いの人かと思ったが、「不足」ってなに?、「不足」しているからってなに?と思ったので、どう不足しているんですか?と訊いたら、ん、いや、どうだったかな、とか小声で言っていて、この人はただ私から百円もらいたいだけなのに困らせてしまったなあと思い、百円でいいんですか、と言いながら小銭入れを出して百円渡したら、これ、と言いながらなにやら封筒を私の方に差し出していて、そこには白の小さな丸いシールのシートが入っていて、これを右の方の足の爪に貼ると体調が良くなります、とのことでいま思えば貰っておけばよかったなあと思うがそのときはいや、いいです、と言ってしまって、シール1つ百円なのかシート1枚が百円なのかは定かではない。ステージネーム前田信子さんからは「ぬらりんこ」という件名の迷いながらもココプラザに着いたというメールが来たので、私もそちらへ向かうことにして、ステージネーム油日修平君からは19時ごろに着きそうとのメールが来ていて、ココプラザでステージネーム前田信子さんと合流しココプラザ1階ロビーで談笑しているとステージネーム米つぶ君から電話がありもうすぐ着くとのこと。ステージネーム米つぶ君を待ってココプラザ内のイタリアンとはもういえそうもないレストランにてステージネーム油日修平君を待つことにして、3人が料理を頼んで少し経ったあたりでステージネーム油日修平君が到着し、みんなでご飯を食べながら、触れるイルカのはなしやらヌートリアのはなしやらしている流れで、みんなで話し合ってステージネームを決めたのだが、ステージネーム「油日修平」の由来は油日君がメンバーとして参加しているサムライジャズの他のメンバーの名前がみんな武士っぽくて羨ましいので何か良い名はないかと、奈良へ車で行く途中の交差点の地名を見ていたらしく、発見したのが「油日」とのこと。だと思っていたが、いま調べてみたら油日は滋賀の地名のようで奈良へ車で行く途中ではなく滋賀へ車で行く途中だったようで、ステージネーム「前田信子」の由来は、ステージネーム前田信子さんがはるか昔に私のホームページの掲示板に書き込む際のハンドルネームとして使っていたもので、なぜハンドルネームが「前田信子」だったのかは知らない。ステージネーム「米つぶ」の由来は、ステージネーム米つぶ君のステージネームをみんなで考えているときに、ステージネーム前田信子さんが、米子…米…米つぶ…、と呟いたのが由来。この前の夜に、明日は何時にどこに集合?という携帯メールがステージネーム前田信子さんから来ていて、その前日にパソコンの方にもろもろメールしていたので、「おりょ」という件名でその旨と場所と集合時間をメールして、ステージネーム前田信子さんからの返信が「おりょりょん」という件名で、さらにそれに対する私の返信が「ぬらりょりょん」という件名で、この日はこれでメールのやりとりは終わり、次の日の新大阪の東改札で送ったメールの件名が「ぬらりひょん」で、それに対するステージネーム前田信子さんからの返信が「ぬらりんこ」という件名で、さらにそれに対する私の返信が「ぬらディゾン」という件名で、さらにそれに対するステージネーム前田信子さんからの返信が「ぬらおか」という件名で、そういういきさつから私のステージネームは「ぬらディゾン」に決まって、スタジオに入ったのは20時から22時まででもろもろ準備に30分くらい費やして、1時間半くらいずっとなんやかやみんなでやっていて、ステージネーム前田信子さんがいることで、いろいろズレてきてとても面白いので人選は間違っていなかったなあと思う。一昨日のネガポジでもcosta musicのバックバンド(?)のドラムのチャールズに自己紹介するときに、i'm nobukoとか言っていてなかなか面白い。コスタさんやギターのコーランド(?)さんとはあまりお話をしなかったが、チャールズとはご飯を食べながらみんなで話をして、安藤忠雄が好きらしく、直島の地中美術館はいいよ!エクセレント!とか言ったら、どのへん?行くのはお金かかる?と言っていて、どうやら行くつもりみたいで、秋の直島を楽しんでほしい。shanti shanti shantiさんはギターとボーカルの男女二人組でふたりともジャージっぽい上着ジーンズ、キャップ、という割と似たような服装をしていたので、ステージネーム油日修平君もステージネーム前田信子さんもステージネーム米つぶ君も最初は男女二人組だと思っていなかったみたいで、ステージネームぬらディゾンはリハというか会場入りして一目見た時点でそんなことは気付いていたので帰りの車のなかで少し自慢気に言ってみたが別に感心されるわけでもなく、shanti shanti shantiさんは「どうなって〜こうなって〜ああなって〜」というような歌詞の童謡みたいな曲をMC(って何の略なのだろう)を挟んで3曲くらいやっていたが、ステージネームぬらディゾンは素直に良いなあと思い、終わったあと良かったですよ、とふたりに伝えておいた。私たちひかがみは、こんばんは、ひかがみと言います、ひかがみとは膝の裏のことです、たぶんもう始まっています、とか言いながらぼんやりと始めて、ふたつのマイクで「プレーンソング」とか「ヨッシーのたまご攻略本」とか「KKKベストセラー」とか「ステージネーム前田信子さんがお母さんからもらった手紙」とか「日経新聞のテレビ欄」とか「怪しい新興宗教のチラシ」とか「デュシャンは語る」とか「広告批評深澤直人特集」とか読みながら、みんなでギターとかドラムとかピアノとかシンセとかコルネットとかトロンボーンなどの音を出してだいたい20分くらい経ったところで、終わろうかという合図ではなく終わろうかと声をかけて、終わるかというところでまだもぞもぞやっていたら、ステージネーム前田信子さんが、今日の朗読会はこれで終わります、と言ってくれて終了。嵐君は短いよーと言っていたけれど謎でよかったとも言っていて、たぶん行為それ自体は理解可能だけれどもその行為で何をしたいのかが謎だったということだと思うけど違うかもしれない。そもそもこの行為で何が起こるのかまでは私たちにはコントロールしようがなくて、そしてしたいことと起こることはイコールでは有り得ないのかもしれない。チャールズはインタレスティングと言ってくれていた。asunaこと嵐君はなんだかちょっと頭が痛いとのことで、いつも持ち歩いているパブロンをあげたのだが効いたのだろうか、パーカーのフードをかぶりマフラーをしていたが、そのままの姿でステージに立っていました。長旅の疲れか演奏の前後の会話がやけっぱち気味だったが、私の経験上、多少やけっぱちの方が良い演奏になると思います。実際に面白い演奏だったしみんな楽しく聴いていたと思う。私が笑いながら楽しく聴いていると左前の方で見ていたチャールズも何回か笑いながらこっちを見ていました。PAから出る音と嵐君の持つおもちゃから出る音の関係が面白いと思って、音楽が作り事だからこそできることというか、そういうことなのかなあと思った。嵐君のソロパフォーマンスは初めて見たけれどとても面白いパフォーマンスでした。演奏終了後、嵐君に、よかったよ、ライブ盤を出したら面白そうよ、と伝えましたが、音だけより映像の方が良いかもしれない。コスタさんは思ったよりなんだかしっかりした声だった。チャールズのドラムは繊細というか細かくて柔らかい印象でした。普通のドラムスティックのお尻のところがマレットみたいになっていてくるっと回して、いろいろ使い分けていた。というかこうなると、どっちがお尻でどっちが頭かはよく分からない。パソコンから出ている打ち込みの音と生のドラムの音がどっちがどっちか分からない感じなのはちょっと興味深くはありました。聴いている途中ちょっと寝てしまったときに、何かを盗られただか、何かが欠けているだか、そういう鼠の親子の夢を見たような気がします。実際にアンコールがかかるのを見たのは初めてかもしれないが、笑っていいともの、じゃ、友達を紹介してもらって、えー、みたいに、なかば形式的なものなんだろうか、どうなんだろうか、そういうわけでもないだろうけど。終演後、嵐君からCDをひとつ買って、Minoru Sato (m/s, SASW) + ASUNA「Texture in glass tubes and reed organ」を買って、おまけにアメとびゅんびゅん振ると音が出る鳥のおもちゃをもらう。そしてこのあとすぐのバスに乗らないといけない嵐君と急いで帰り支度をし車で京都駅へ。ぎりぎり間に合ってよかった。ちょっとしてから無事出発というメールも来た。妙に中途半端なサイズのトートバッグみたいなのをたくさん持っててなんか面白かった。ネガポジで待ってくれていた3人と私を加えた4人で米子君の車で帰る。正確に言うと車は米子君の友達のだ。私が投げかける会話があまりにくだらないというか不真面目なためというか不真面目に真面目なため、姉と妹に疎んじられているというはなしをしつつ、さらにここでも同じ理由によりちょっとづつ疎んじられ始めるのがなかなか楽しい。どこだったかどこかのパーキングエリアでガソリンを入れたりしつつみんなを送っていくあいだ、このまま移動して次は四国でライブだ、とか言ってみたいというようなことをみんなで話してみたりしながらひとりづつ送り届けて、米子君と私だけになって、堺の路面電車の車体が新しく変わるらしく、米子君はそのことをこの前のココプラザに置いてあった子供向け冊子だか新聞だかで知ったらしく、その新しい車体の写真だかイラストの横に「かっこいい!」という文字が入っていたらしく、「かっこいいよ!」ではなく「かっこいい!」なのだ。新しい車体に対する意見であることは分かるのだけれど、いったい誰が誰に向けて語ったことばなのだろう。というか、かっこいいと思ってもらいたいからといって、そのまんま「かっこいい!」と書いてしまうその投げやりさが良いと思うし、子供向けのそういうのにはそういう感じのがたくさんある。