ここ最近どうにも釈然としない事のひとつに
「好き/嫌い」というものがある。


音楽でも美術でも料理でも洋服でもなんでもよいが
「好き/嫌い」であまりに物事をざっくりと
区別し過ぎているように思う。
その方が確かに効率はいいのだが
「好き/嫌い」で簡単に片付けてしまっていいものか。
「好き/嫌い」にも色んな階層があると思うのだが
それらを全部まとめてひとつの「好き/嫌い」でいいのか。
だいたいいつどこで「自分」の「好き/嫌い」が生まれたのか。


人間という生き物は「好き/嫌い」によって
世界に「自分なり」の凸凹を作らないと
生きていけないものなのだろうか。
そして、なぜそのあいまいな凸凹にしがみついてしまうのか。


ひょっとしたらあいまいだからこそかもしれない。
よく分からないからこそ理由もなく信じてしまうことがある。
というかこの場合、信じなければ「自分」の輪郭が
なくなってしまうように感じるからかもしれない。


だからといって全ての物事に原因と結果があるかというとよく分からないが、
「原因/結果」という「論理のようなもの」で片付けるのも
「好き/嫌い」という「感情のようなもの」で片付けるのも
とにかく強引に「線を引いてしまう」という意味では同じだ。


どうでもいいといえばどうでもいいのだが
こういうどうでもいいことがやたらと気になってしょうがない。