初の自主企画イベント終了。
みつ君と二人三脚でやってみたが案外すんなりいけた。


フライヤー撒きとかwebとか宣伝まわりの段取りを次回は改善したい。


あとは当日遅刻しないこと。
8時に起きていたのにも関わらず何故か入りの時間に遅刻した。


と、出演してくれたみんなや来てくれたお客さんにはもちろんだが
録音をしてくれた東くんにここでもお礼を言いたい。
彼にはotosoraの録音でもお世話になっていて
ほぼ独学にも関わらずその豊富な知識には大変助けられている。

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出演順に演奏の印象を書いてみる。


1.竹内光輝 (mixing console)


乱数を使った作曲によるミキサー演奏。
手元のスコアに従ってホワイトノイズが配置されていく。
かなり隙間の多い演奏で、ちょうど音の無い時に
あとから来たお客さんが入ってきて
その妙な空気に驚いていたのが面白かった。


やはり音と音の間を空けることで演奏者と聴取者の
一音に対する集中力が高まるようで
音が出てきた時のありがたみ(笑)は相当なものがあった。
音自体もよく練られたかなり渋いホワイトノイズで非常によかったと思う。


今後は作曲のシステムをもっと練ってみたいとのこと。


2.小田寛一郎 (computer)


コンピューターは使うつもりではなかったのだけれど
シンプルで面白いフィルターのプログラムを作ったので
それとコンピューターフィードバックを組み合わせてやってみた。


演奏といえばフィルターのパラメーター操作とディスプレイの上げ下げのみ。
ibookは本体側にスピーカー、ディスプレイ側にマイクがついているので
ディスプレイの上げ下げでフィードバックがコントロールできる。
あまり下げすぎるとスリープしてしまうけど。


家でいくつか面白い音の鳴るパラメーターを探してプリセットしていったのだが
家と会場の空間、環境音の違いによって全く違う音が出て面白かった。
演奏というよりも延々チューニングしている感じになったのが個人的にはよかったと思う。
お客さんがどう思ったのかは分からないけれど。。


なぜ内蔵スピーカーなのか、という質問が米子君からあったのだけれど
ディスプレイの上げ下げで音の変化を楽しみたいというのと
元の出音を外部で増幅したくない、という理由があるように思う。
最近は音をどこまでも増幅して大きくできることに違和感を感じていて
音を発するもの(楽器でもなんでも)に見合った音量について考えている。
最初から電気の絡むものについては基準をどこに置くかが難しいところ。


コンピューターフィードバックについては元々ついている
内蔵スピーカーを基準にしても良いと思っている。


3.米子匡司 (computer)


max/mspperlを駆使した自作の自律的音楽生成ソフトウェア「chochopin」による半自動演奏。
ソフトウェア内で4匹のコアラ達(サウンドファイルプレイヤー+エフェクト)が
それぞれの性格に基づいて自分のパートのファイルの選択、BPM、エフェクト処理等決定している。
演奏者はそれぞれのコアラ達をほめたり、ダメ出ししたり、お菓子をあげたりして
間接的に演奏の方向を決めていく。


外部(演奏者)からの刺激に対するコアラ達の反応の差異など
細かいところは実装してないそうなので、まだまだ面白くなりそうだ。


また、何より素晴らしいのはそのシステム云々に関わらず
結果的に生成される音楽がそれ自体面白いこと。


ピアノ、トロンボーン、ギター、ドラム、声、などの
入念に加工されたファイルがさらに複雑に絡み合っていく音楽は
それだけでも十分に面白かった。


実際に僕の友人の中にはシステムの説明は必要ないけど
音楽はすごく良かった、という人もいた。


あと、当日になって気付いたのだけど
ソフトウェアの動いている様を見せるのであれば
コンピューターの画面をプロジェクターで
投影するなどした方が良かった。


3.竹内光輝 (mixing console)+小田寛一郎 (speaker)


ソロではホワイトノイズのみだったみつ君の接触不良音と
僕のスピーカーの接触不良音デュオ。
会場の端と端でお客を挟むようにして演奏。


今回のイベント出演者の中で一番うるさかったと思う。
ついつい会場の響きにつられてうるさくしてしまったけど
案外、静と動のバランスも取れていたと思うし
今までで一番手応えのある演奏ができた。


上手くいった要因は
二人がある程度の(現実の)距離をとって演奏したこと、
空間の響きが良い方に作用したこと、
などが考えられる。


録音を聞くのが楽しみ。


4.川口貴大 [rere] (mixing console、microphone、glass bottles)


フィールドレコーディングでの作品で知られる川口君のソロ。
ガラスの瓶にマイクを入れてフィードバックさせる演奏。
ガラスの大きさ、マイクの位置によって音の高さが変わる。


シンプルだけど繊細なゆらぎを含んだ演奏で
なぜか清々しく落ち着いた気分になる。
視覚的にも、そーっとマイクを出し入れしている様は
怪しい研究者のようで面白いものがあった。


いくつか気になったことといえば
低音のフィードバックの時にジーっというクリップした音が出ていた事と
(良くも悪くも)マイクの入れ替えの時にビンに当たって音が出る事。


低音の歪んだクリップ音はちょっともったいないと思った。
高音のクリップ音はむしろアクセントになっていてよかったのだけど。