現在の中之島のビルの中にあるスタバの客の80%くらいが就活生で、面接待ちなのか。隣の席の男子学生二人が、面接のここぞという時であらかじめ考えていた決め台詞を言ったとか、学校の先輩たちが相談に乗ってくれたり応援してくれたりする、という話をしている。企業の新卒採用がどのくらい景気の影響を受けるのかわからないが、そこそこの大学に行って、サークルとかバイトで対人コミュニケーションにも慣れていれば、どこかしら就職はできるんだろうなあと、思われる。たぶん、集団で活動することに慣れてさえいれば、どんな企業でもとりあえずは大丈夫なんだろうけど、話を聞いている限り、社会に適合する=会社に適合する、社会=会社と思っているっぽいので、そこは違うと思いつつ、会社で一生を終えることができてしまう以上それはそれで正しいのかもしれない。関西空港の第二ターミナルの待合室みたいなとこにも就活生がいて、イヤホンみたいなので友達に電話していて、面接の様子などをしゃべっている。中小企業の面接で「中小企業」と言い過ぎた、とか、先方が第一志望じゃないことがバレそうになったけどごまかした、とか、そういう話。ひょっとして、就活というのは、就職先に「気に入られる」かどうかで決まるんだろうか。少なくともこの就活生はそう思っているようだけど、実際どうなんだろう。人事担当とかしたことないからわからんけど、毎年、何十人、何百人と採用して、そこそこ適当に会社の歯車になってくれたらいいというような会社でない限りは、気に入られることを考えている学生より、その会社の今後や、その会社の属する業界とか分野の今後について、自分なりの考えを持っている学生の方が、一緒に働いて楽しいというのが理想だろうとは思われるが、そんな人はいないのが当たり前だし、もちろん就活生もいろいろ考えているフリをするのが当然だし、そもそも人事を担当する人が相手に気に入られるための就活をしていた場合、ずっとそんな感じで採用が続くんだろうし、大学に行くことができて対人コミュニケーションにもそこそこ慣れていて就活というゲームをクリアできるような人たちが、もっと辺境の土地とか辺境の分野に流れてくれたら、だいぶいいのにと思いつつ、教育と労働の市場がそのような誘因を持たない、動機を提供しないので、どうしようもないのか。