イムズホールでの立川談春独演会の帰りに博多駅で特急に乗るべく四番ホームに行くと発車まで十五分くらいあるけどもうけっこう列ができていて、五号車の列に並ぼうとすると五号車の列は四号車の入り口あたりまで伸びていて四号車の列に当たる前に案内板と広告の壁を背にしたベンチのところでL字型に曲がろうとしていて、ちょうどそのあたりのL字型に曲がらないような曲がるようなあやふやな位置と身体の向きで並んだところ、だんだんと私の後ろに並ぶ人と私の前の人に並ぶ人が出てきて、そうなると私のひとつ前の人から案内板と広告の壁を挟むように人の列が枝分かれしてきて、ちょっと笑ってしまいつつごめんよと心で謝りながら観察してみると、案内板と広告の壁があるため枝分かれ地点の私とその付近の人以外はそれに気づいていなくて、案内板と広告の壁の裏へと続く列の一番前の人、つまりL字型に曲がることを選んだ人は列が枝分かれしていることを気にしているようだったけどそれでも動かないのは私の前の人は明らかにL字型に曲がることを意図した身体の向きをしているからで、ともかく気にしてももはやどうにもならず、まただからといってどうということもないのでそっとしつつ電車がホームに到着して列が動き出すととりあえずその気にしている人とそのひとつ後ろの人を私の前にどうぞと入ってもらって、なんとなくあやふやに二本の支流は本流に合流していったと思う。後ろ見てないから分からないけど。