なかまハーモニーホールにて「春風亭昇太林家たい平 二人会」。あまり調べもせず、久留米の先やろーくらいでチケットを買ったのだけれど、昨日調べてみたら、中間市かなり遠い。北九州。下道で行くと片道3時間くらい。高速使って1時間40分くらい。車か電車か迷って電車にする。途中居眠りしたり本も読める。しかし、チケットのほぼ2倍の金額と、上演時間のほぼ1.5倍の時間をかけて行くというのはいったいなんなんだろうと思ったが、楽しんだので良い、ということにしよう。JR中間駅のトイレに「クリーンなプレーを!プレイボール!」みたいなフレーズとピクトの張り紙がしてあって、気が利いているが、その気が利いてるやろ感が若干うっとおしくもある。最初に昇太・たい平の二人が私服で出てきてしばしトーク。オリンピックの話とか、昇太さんの小学校の頃の先生が来ているとか。あと、客席の平均年齢はぼちぼち高そうだ。あったまったところで、昇太さんの弟子の昇洋さん、たぶん前座、が出てきてマクラなしで「饅頭こわい」。昇洋さん、憶えておこう。あとなぜ最初に二人でトークしたか分かった。たしかに、寄席ならともかく、こういう地方のホールの会でいきなり前座さんが出るのは、前座さんにもお客にも辛いというか、お互いやりにくい。場の気持ちが定まってないというかできてないというか。その次に昇太さん。いま新宿末廣亭のトリをとっているらしく、早い出番でやってすぐ東京に戻るとのこと。マクラで、日本人はしんどそうに一生懸命やっている人を見るのが好きだ、でも落語家はふかふか座布団に座ってあんまり一生懸命そうに見えない、とか、家に洗濯機が来た時の話とか話して、なんかウマが合うひと合わないひとがいますよねと話したのち「ちりとてちん」。新作かと思っていたので少し驚き。もともとは「酢豆腐」という江戸の噺が上方に輸入されたものだけど、それがさらに東京に輸入されたらしい。誰が誰に腐った豆腐を食わせるかが大きな違いか。昇太さんの「ちりとてちん」は、登場人物が酒を飲んだり鯛の刺身や鰻の蒲焼を食べたりする様が面白い。あふぅ、とか、おふぅ、とか言いながら、うまそうに食べる。後半に出てくるなんにでも文句をつける虎さん(やったかな、名前)が、酒や鯛や鰻にいちいち文句つけながらもうまいという気持ちが溢れ出る感じがほほえましい。15分休憩ののち、たい平さんの弟子、林家あずみさんの三味線と漫談。なぜかマレーシアから来たと思われる話とか笑点ネタとか歌とか。快活でさっぱりしていて嫌味がない。その次にたい平さん。マクラでは、小学校で落語をやった時に生徒会長の子から、うどんとそばでは食べる仕草が違うのか聞かれてやってみた話とか、最前列でおばあちゃんと一緒に見ていた小2の男の子に食べる仕草のリクエストを聞いて、パスタを食べる仕草をやってみるとか、笑点ネタとか。なんだろう、やっぱり笑点ってみんな見てるのかしら。どういう流れやったか、原発の政府対応の話になり、冷温停止状態っていう言い方はなんでしょうね、とか話して、武士に二言はない、みたいなことから「井戸の茶碗」に入る。当たり前といえば当たり前だけど、老いた武士と若い武士の演じ分けがはっきりしていて分かりやすいし、たい平さんの武士はシャキッとしていて好きだ。最初に仏像から50両出てきたところで、屑屋さんが一往復半でなく何度も行ったり来たりしたことになってたり、井戸の茶碗が150両になってまた呼ばれた屑屋さんがちょっとキレ気味だったり、屑屋さんの追い込まれ方が面白い。サゲのあと、東京オリンピックの年に生まれて、真打昇進もオリンピックの年で、今日東京オリンピックが決まってめでたいとのことで、滅多にやらないんですがと前置きし、スターマイン(打ち上げ花火?)の音真似。提供アナウンスの真似のあと、口笛でピューピューいって、高座をダンダン叩き最後に逆立ちくらいに両足を持ち上げてドン!と座布団に叩きつけでかい花火が上がって、景気よく終わり。落語を生で観たのは、新宿末廣亭の二つ目の会、深夜寄席の一回だけだったけど、今後は機会があればどんどん観たい、けれども、九州には寄席はないので今日みたいな落語会に行くしかない。とはいえ、寄席の雰囲気はないけど、真打をゆっくり観れるというメリットはありそう。東京・大阪では機会をとらえて寄席にも行きたい。次は博多天神落語まつりの「桂歌丸春風亭昇太柳家喬太郎柳家三三春風亭一之輔」の会と、武雄文化会館の柳家花緑林家たい平 二人会かしら。前者の会は、一之輔さんをぜひ観たいのと、この五人を一度に観られるのが嬉しいので行こう。キャナルシティでの鶴瓶さんの落語会にも行きたいが。。鶴瓶さんの即興のセンスが気になるので、いまさらながら、いろいろ見てみたい。