思い出しながら


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米子君、みつ君と連れ立って六甲山へ録音ハイキング。
(実際にはハイキングというレベルではなく録音登山)


米子君はコンピュータ、小型のスピーカー、
ラジオ、ピアニカ、MDなど、
みつ君はフルート、
僕はコンピュータ、テープレコーダー、
ウクレレチューニング用のフエなど、を
それぞれリュックにつめて芦屋川駅に集合。


コンピュータを持ってうろうろするのは
いつもやっていることだけれど
さすがに坂道を登るのはしんどくて
駅から登山道までの道のりで少しへこたれる。


細かい事は書くとキリがないので
印象に残ったのは
・岩場をコンピュータを背負って登るのはあまりにきついしちょっと怖い。
・風吹岩は確かにやたらと風が吹いている。
・後半、本当にしんどかった。気力で登る。
・地図も持たず帰りをどうするかも調べずに山に登るのは無謀だった。
日没ギリギリに山頂に着いて下山の為の交通手段がなくなり、
タクシーを山頂近くまで呼び出すはめになる。
ここで改めて二人に迷惑かけたことを詫びたい。


録音したポイントは三ヶ所

・風吹岩(米子君のMDにて)
米子君と僕がピアニカとフエを適当に吹いたりする。
猫を二匹見た。

・雄池(米子君のMD、僕のテープにて)
森の中にすり鉢状の池があっておたまじゃくしがたくさんいた。
それぞれ思い思いに音を出し始める。
僕は池から少し森に入ったところにテープレコーダーを置いて
米子君は森へ繋がるちょっと盛り上がった砂地にMDを置いて録音。
みつ君は淡々とフルートを吹き、米子君はいつのまにか
スピーカーを使ってコンピュータでリズミックな音を出していた。
僕はフィードバックさせたコンピュータを持って
蓋を開け閉めしながらうろうろする。
ここでの録音の後、米子君に僕の音について
「なにか追い詰められた後の「演奏」。
(演奏のようでなくても)やはり演奏だった。」
というような意味の興味深いコメントをもらう。

・本庄橋跡(米子君のMD、僕のテープにて)
僕は小川付近と円形状に開けた広場のようなところと2セット録音。
米子君は広場の真ん中あたりにMDを置いていた。
米子君はコンピュータをスピーカーに繋いで
何かいろいろ試しながら音を出しているようだった。
僕は雄池の時と同じくコンピュータを持ってうろうろする。
みつ君はメモ帳のようなものに何か書き物をしていた。


その後、山頂へ向かう道すがら
周りの環境(場所、空間)をどう捉えるかについての話をする。


個人的には「ここ」は「こう」でしかないのだから
「そういうもの」として我関せずでほおっておくというか、
つかず離れずというか、
「ここ」にただ「いる」ことしかできないと
今のところは思っている。


溶け込むとかそういうことは根本的に無理があるし
その逆に対抗するのもかなり無理がある。
だから具体的にどうする、というのも特にないけど。