8月21日の「トライアンドエラー02.」の感想と反省など。

1.川口貴大 (cornet) :竹内光輝 (mixing console) :小田寛一郎 (guitar)


良く言えば控えめでシンプルな演奏だったように思う。
悪く言えば二番煎じの静かな「即興」だと捉えられもする。
僕らの演奏はいくらかでも前に進んでいたのだろうか。


前半はみつ君の低周波の持続音を中心に進み、
後半は僕も音数を増やしたので全体的な音の種類も多少は増える。
演奏中、たまになにかのモーター音のようないい音が
外から聴こえてきていたのだけれど、どうやらそれは勘違いで
みつ君の使っていた複眼から借りたコンポの音だったらしい。


練習やリハの時は割といろんな音を出していたみつ君も
本番は抑制された良い演奏だった。
けれど、1、2箇所集中の途切れた音があったようにも思う。
もちろん自分の主観だから判断は難しいところ。


僕もそういう音がけっこう出ていて、それが今回の反省点。
(自分のギター演奏の)音の種類は限られているので、
もう少し注意深い演奏ができるはずだし、そうしないとおそらく成り立たない。
丁寧に演奏したつもりだったけどやっぱり余計な音が出ている。
あと、ギターアンプの位置があまり良くなかったかもしれない。


川口君も同じような(音の種類が限られている)演奏だけれど
余計な音がなくて良かったと思う。
変にストイックな感じもしないし、いたって自然体。


ブログを読んで初めて知ったのだけれど
みつ君はどうやら今回でミキサー演奏をやめるようだ。
最近はアコースティックなものに興味が向いているからなのかもしれない。
残念。

2.anjob-assb [ 鈴木勝 (banjo) : Keith Hughes (woodbass) ]


見た目にも楽しいタイムチャートに基づいた作曲作品を約20分ずつ2曲。
譜面と時計の他にebowや箸、魚のうろこ取りなど小道具多数。
演奏を時間でいくつかのパートに区切り、それぞれにいろんなお題を与えて
ひとつひとつを丁寧に演奏していく方法は良いアイデアだと思った。


二人の演奏を聴いたのは初めてだったのだけれど、川口君同様
いたって自然体でそれが音にも表れていた。
なんというか、押し付けがましくもないし背景に溶けるわけでもない佇まい。
鈴木さんのタワシを使った音と時計の秒針に合わせて弾く短い音、
キースさんの取り外したベースの弦で弦をはじく音が特に印象に残っている。

3.栗原淳行 (guitar)


ギターのピックアップのスイッチャーをめまぐるしく切り替えながらの演奏。
ピックアップを早い速度で切り替えるとトーンも変わり、フィルターのような効果が出る。
右手で弦を弾く様子はなかったので音は左手だけで出していたのかもしれない。


ミニマルで微かな情感の弦の響きを、スイッチャーによる
接触不良音や音の変化でぼやかす演奏はなんとなく
青山政史を思い起こさせるものだったけれども、
(手法は全然違うし)負けず劣らず面白いものだった。
ギターとコンピューターやギターとエフェクター
同じようなことは出来るかもしれないが
面白さは断然こっちの方が上だろう。


抑制された演奏が2組続いたのでイベント全体の
良いアクセントにもなったと思う。

4.全員でのセッション


トリオではあらかじめ練ってきた奏法とその場で思い付いた奏法が
9:1くらいの割合だったのに対して
セッションではかなりの割合を思い付きでやってみた。
なので当たり前のことだが自分の演奏はあまり良くなかったし
(全部を思い付きでやってうまくいく人もいるのかもしれないが)
いろいろ考えながらやっているので他の人の音もあまり聴けていない。
フィードバック直前の微かな音は良かったと思う。


全体としてもバラバラな感じがしていたけど
変にまとまってしまうセッションもどうかと思うので
これはこれで良かったかもしれない。