赤レンガ倉庫で開催中の
Sound Art Lab 2005 vol.2 「sun and escape」
現象と干渉〜音にならないオトを聴く
を見る。


参加作家は
梅田 哲也、堀尾 寛太、毛利 悠子、指吸 長春
の4名。

毛利 悠子「magnetic organ」


複数のコイルが起こす磁気のフィードバックを音に変換する、というもの。
コイルを動かすモーターの電力も磁気のフィードバックにより補っている。
終始ジーッという単調な音がスピーカーとヘッドフォンから鳴っているが、
それは磁場が静的な状態にあったからなのだろうか。
むしろその音よりもモーターとギアの回転音の方がよかったけど
もちろん今回の展示の意図とは関係ない解釈ではある。
磁気ループのシステムとそのプロセスにはあまり興味を持てなかった。

堀尾 寛太「振り子」「ロープウェイ」「打撃」


「ロープウェイ」と「打撃」はいまいち原理が不明だったのだけど
「振り子」はとても面白かった。
ゆらゆらと揺れる電磁石の下に鉄製のいろんなものが置いてあって
気まぐれにそれらをくっつけては落として音を立てる。
同じスペースに設置されている毛利さんの作品の音とうまく調和していた。

梅田 哲也「drying 振動と気配とその移動」


様々なサイズ(かなり大きい)のヘリウムガスの入った風船の振動を
ワイヤレスマイクを使って拾い、その低周波によってさらに風船を振動させ、
可聴域外の「気配としての音」を生み出すもの。
見た目は何の音もなくただ大きな風船が浮いているだけなのだが
その風船に耳を近づけると鼓膜が圧迫されるような感じがする。
その独創的なシステム/プロセスと風船が浮いているだけという見た目もさることながら
アナログに「聴こえないけど物理現象として在る」音を作り出したことに驚いた。

指吸 長春「呼気法器/KOKIHOKI level:2 type:0」


ビニール製の巨大なボールが膨らみしぼみを繰り返す際に
生じる現象に焦点を当てたもの。

僕が見た時はずっとしぼみっぱなしだったので
実際にどういう振る舞いをしてどういう音を立てるのかは不明。

しかし、膨らみしぼみを繰り返すボールの表面の細かな動きと
その音を想像するだけで面白そうなので実際はきっと面白いのだろう。