s氏への返答その2

「音響」をひとまず音色を聴かせる音楽、
インプロヴィゼーション」をその場で生成される音を聴かせる音楽
というように暴力的に定義してしまうならば、
あなたが行っている音楽は、いずれでもないでしょう。


とのことですが
実際に僕の作る音がそういう領域に入っているか、はともかく
そのどちらにも属したくないと思っているのは事実です。


既にミックスまでできあがった曲のサウンドファイルを
ただ鳴らすだけのライブはやりたくないし
(鑑賞会だと割り切ってやるのなら良いけど
あたかもライブしているかのように見せるのは詐欺だと思う。
リスクを負わないライブは面白くも何とも無い。)
かといってインプロやります、と言って
何の挑戦もしていないインプロ風音楽をやるのも馬鹿馬鹿しい。


とにかく何らかの意思を持ってはみ出していかないと
自分自身面白くないし納得もできないです。

僕にとってスタイルというのは、
行為する人間が様々な制約や志向から
選ばざるを得なかった変えようのない形式のようなもの
だと捉えています。


とのことですが、僕も取り替え可能な単なる「外皮」ではない
「スタイル」には興味があります。


僕には大きく分けて
・ひとつの固定された(自分にとっての)完璧な質感を求める方向
・あらゆる計算や手作業によって常に様々な変化を伴う質感を求める方向
があると思います。


ダイナミックに変化するかしないかの違いであると同時に
使うソフトウェアの違いでもあります。


(自分にとっての)完璧な質感に変化を与えれば良いじゃないか
と思うかもしれませんが、その辺はまた微妙なところで
作りこんだ質感にエフェクトを施す程度なら可能なのですが
音の成り立ち自体をいじるのは技術的に難しいし
そうしたところで良くなるとは思えないので
こういう風に分けてます。


抜けている事やまだまだ考えないといけない事もありますが
とりあえず今の段階ではこんな感じで。