最近は、コンピューターを使った演奏における
インターフェイスや内部アルゴリズムが及ぼす
出音の振る舞いへの影響についていろいろ考えている。


まずどうして乱数を多用した音(音楽)に説得力(必然性)を感じないのか。


これはおそらく渋谷氏もたびたび言及しているように
人間の脳の仕組み(というかクセというか)が関係しているように思える。
構築美だけが全てだとは思わないが機械的なデタラメさはやはり聴いていて辛くなる。


また、乱数を用いたものには無数の組み合わせの可能性が存在していて
形として出てきたものはその可能性のひとつが無作為に選ばれたものに過ぎない、
という表現としての弱さがあるように思える。


以前はその無数の組み合わせの可能性(可塑性?)の方に意識がいっていたのだけど
結局はその組み合わせの決定の仕方が重要なのではないかと思い始めた。


乱数で生成した音と自分でパラメーターを操作して生成した音を聴き比べてみればすぐに分かるのだけれど
何も考えずに即興でパラメーターを操作したとしても、前後関係の全く無い乱数とは違って
人間は外部との複雑な情報のフィードバックをリアルタイムに行っているわけで
その影響が必ず何らかの形で音に出ている。


僕のライブ用プログラムには、その操作を乱数に行わせている部分がかなりあって
(全体の流れを作るのに精一杯で細かいパラメーターを操作しているヒマがないから)
人間の操作を単純に乱数に置き換えられると思っていた時点で
根本から間違っていたと思う。


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