googleにて「ラップトップ ライブ」で検索してみる。
出てきたページをいくつか読んでみる。
ざざっと読んでみて、
やっぱり「ライブ」って何?ってことがとても曖昧になってきていて、
しかもいろんな次元の異なる問題が(意図的に?)ごっちゃにされているような気がする。


ライブを
・「生」演奏を見に行く、という人
・音楽を聴きに行く、という人
がいて、これはクラブカルチャーがどうとかそういうのも関係ありそうで
「出てくる音楽と演奏は分かちがたく結びついている」と思う人は前者で、
「過程はどうあれ結果だけ欲しい」と思う人は後者だろう。
そして、一番大きなズレは
「出てくる音(音楽)が良ければ問題ない」という立場は、言い換えると
パフォーマンスではなく音(音楽)だけで評価してください、ということで
「パフォーマンス=音(音楽)」という立場からは、これは全く理解できないし、
さらに「出てくる音(音楽)が良ければ問題ない」という立場からは理解できないことが全く理解できない。
出てくる音(音楽)がそのままパフォーマンス、という立場と
パフォーマンスがそのまま出てくる音(音楽)、という立場という
それぞれ同じことの向きの違いで、それこそ堂々巡りでしかない。
そして、音(音楽)で評価してください、といっても
結局はよくある「好きか/嫌いか」のところに落ち着いてしまって、
その音(音楽)を好きな人は、パフォーマンスにも満足するし、
その音(音楽)を嫌いな人は、パフォーマンスにも満足しない。
また、「パフォーマンス=音(音楽)」という立場からのラップトップ・ライブの評価が
音(音楽)を嫌いだから、そのパフォーマンスに満足しないのか、
パフォーマンスに満足できないから、その音(音楽)を嫌いなのか、
いまひとつ判然としないというか、意図的にそういう混同を起こしているようなところもなくはない。
というよりも、それが判然としない状態こそが「パフォーマンス=音(音楽)」ということかもしれない。
また、検索して読んでみたページのひとつにあった
「最終的にラップトップパソコンで自分のイメージをつくり上げるということです。」
というところにも表れているように、
ラップトップ(というよりコンピュータ)の特性は
とにかく厳密な「コントロール」にあるのであって、
自分のイメージを「完全に」つくりあげることが目的になっている。
自分の好きなものを取り入れて、嫌いなものを排除することが
0か 1かでデジタルに可能になってしまっている。
(そうなってくると、その「自分のイメージ」って何?という問題が出てきそうなのだが、
みなさん幸か不幸かそういう疑問は持つことなく、自由に既成のイメージから
「自分のイメージ」を選ぶことができている。)
もうこうなってくると、落ち着く先は
「ラップトップ・ミュージックが好きな人だけがライブに来たらいい」し
「ラップトップ・ライブに納得いかない人はラップトップ・ミュージックも聴かない」
みたいなことになるしかない。
こういう風にして好き/嫌いの分類だけでフィードバックしていって
みんな「自分の世界」を持って生きていくんだなあと思うが、
別に私には関係ないので、どうでもいい。
決まりきった立ち位置でその立ち位置に合った
決まりきった意見を言うだけなのは
あまり生産性はないんじゃないかと思うだけだ。
私は「自分の意見」なるものなんて本当にどうでもいいし何の役にも立たないと思う。
でも結局はこれが私の意見という風になってしまうのだろうし
書くということは何かを表すということのひとつで、
何かを表す、ということは、意見を言う、こととは違うのに
なぜかそう看做されてしまうのはなんだか悲しいことだ。
私が、何かを表す、ということは、それに触れている時間のあいだだけ
私とだれかが一緒に考えている一緒に読んでいる一緒に見ている一緒に聴いている、
ということで、私の意見をだれかに聞いてもらうことではない。
だから、私が何を言いたいかなんて関係ないしそもそもないし、
できることなら、私とだれかが一緒に考えたあとに
そのだれかが思ったなにかが、私の意見だと思ってもらえたらいいなと思う。
以下、読んだページのまとめ。

ラップトップミュージックについて
http://maniacsound.net/laptop.html
・パソコン内だけで音づくりをする人もいれば、演奏をパソコン内に録音し、音をつくりこむ人もいます。音づくりの環境がラップトップパソコンだけという人もいるし、膨大な量の機材から自分のイメージにあう音をつくり出し、その音を取り込み、最終的な曲づくりはラップトップパソコンで、という人もいます。共通するのは、最終的にラップトップパソコンで自分のイメージをつくり上げるということです。
・ラップトップミュージックとはカンタンにいえば、”ラップトップパソコンをつかって音や曲をつくること、そうしてつくった音や曲をライブでラップトップパソコンのみをつかってパフォーマンスをすること”です。

eo音楽|特集:ラップトップ・ミュージック
http://eonet.jp/music/sp_live/index_061026.html
・膝の上でも手軽に音楽を作れるようになった現代。魔法の小箱のような小さな機械は、瞬く間にクラブシーンで新しいライブの形をオーディエンスに提案、音作りという意味でも、パフォーマンスという意味でもセンセーショナルな話題を巻き起こし、スタイリッシュで知的なイメージを作り出しました。昔には、汎用機やデスクトップでしかできなかったことが、今やラップトップで出来てしまう。つまり、ラップトップ・ミュージックは、方法論であると共に、スタイルとなったといってもいいのかも知れません。
青木孝允「ただここ数年におけるラップトップコンピュータの急速な進化によって、10年ぐらい前まではスタジオでも難しかったリアルタイムオーディオ処理などがライブ会場などでも可能になりました。これにおいて以前と比べてライヴの場で出来る事がかなり多くなりました。」

ラップトップノイズはロックか?
(利光哲也さんのブログ。利光さん、お久しぶりです。)
http://blog.goo.ne.jp/blindweblindweb19770914/e/aec2af1ac9ebd316afd64cb46a5ac238
・現在、数多く存在するラップトッパー達の中で、熱いハート(笑)を滲ませて演奏してる人はいるだろうか。まさか、変にストイック且つ無表情で、微動だにせず演奏する方がカッコ良いって思ってるんじゃないだろうな。まあ、少しはそれもありだけど(笑)、でもやっぱり、ステージに立つ以上ある程度の肉体性を感じさせるライブは心がけてもらいたい気はするな。

stereogimmik blog ラップトップ・バトルについて
http://blog.goo.ne.jp/stereogimmik_fop/e/81daaf40d2f4fe7ec7d9bc9e29dbf0fb
・機材構成は厳しく決められている。持ち込めるものはラップトップとポインティングデバイスMIDIコントローラ1台とオーディオインターフェイスである。(中略)8組(8人)の出演者がそれぞれペアになり戦う。ライブの方法は3分程度で音を出し合うらしい。これでオーディエンスを盛り上がらせた方が勝者となる。 曲のオリジナリティはもとよりパフォーマンスをも評価対象としている。つまり立ちんぼではだめということである。ライブなのだから当たり前といえば当たり前である。が、ラップトップミュージシャンにおけるパフォーマンスとは一体どのような行為を指すのであろう。

よくミュージシャンが「ラップトップだけもってクラブでプレイした」みたいなことを
言ってたりしますがラップトップだけで音楽ってどうやってやるんでしょうか。
http://q.hatena.ne.jp/1150291865
・このREASONというのでライブをしている方をイベントで見た事があります。リアルタイムでつまみを動かしたりできるので、いいです。
・私がリアルタイムでラップトップDJプレイをするときに使うソフトは、abelton のLIVEシリーズです。4まで使った事がありますが、あらかじめセットしておいた素材をその場に応じてループさせたり、一発ネタ的にならせたり、ダンスミュージックのDJプレイでは、「ライブ」感をだせる有効なツールでした。自動でBPMを合わせてくれたり、便利です。

E-Wind - BBSアーカイブ(音楽制作BBS - 2006) > ライヴについて
http://ewind.homeip.net/bbs/cmu_2006/4816.html
・「ラップトップでのライヴを今度してみたいのですが、ノウハウが全くわかりません。自分はフェネスがすごく好きで、自分もギターをやっているため非常に音楽制作で参考にしています。そこで、一人でギターとノートPCを利用してライヴがやりたいのですが、可能でしょうか?」「最悪の場合用にギターマイナスワンのミックスデータが必要になりそうですね、Macがへそを曲げたらライブどころではなくなりますし保険を作らないとダメでしょう。」「作った音を流しぱなしにしながら、ギターを弾けばよいということですか?ミキサーを買ってクリックを聞きながらやるのがベストですかね?」「ギターを生演奏する(これが目玉でしょうけど)ならギター以外の演奏をMacに任せて自分はギターパートの演奏に専念することになります。またギターも録音してしまってソフト上のコントロールでパフォーマンスをするというのもありですけど・・・演奏がメインならご自身が書かれているように創った音を流しながらギターを弾いてください。」

05/4/17 BODY ELECTRIC vol.2@青山CAY
http://kdmhp.cocolog-nifty.com/kdmblog/2005/04/live05417_body__4794.html
・DillEnsemble[Miwako Takahashi(vo) Yumi Ngano(vo) Seigen Tokuzawa(cello) Teruyuki Ooshima(g) Yuji Inoue(produce)]
このアンサンブルは編成が特殊で、ラップトップ&指揮に、二人のクラシックの声楽家とチェロ奏者という編成。歌とチェロは中世の古楽を思わせるような平明な旋律をほぼノンヴィブラートで奏でる。コンピで聴いていたときはアコースティックとラップトップで制御する音響とが渾然となって境界が判然としない音楽をイメージしていた。しかし少なくともこの日のパフォーマンスは、演奏形態だけでなく発想から演奏行為まで、ほぼ完全にクラシックの方法論に拠った演奏であり、ラップトップとアコースティックは完全に別パートとして音楽が作られていた。

ラップトップは、分散と統合を操り返す
http://www.barks.jp/feature/?id=52275876
・ 「サウンド・ファイルを用意し、どう構成するかは前もって決めないんだ」とナムは言う。原子状のパルスが次第に濁流となって渦を巻き、原始(幻視?)の海へと還っていくかのように分散と統合を操り返す…。DJミックスとフリー・インプロの中間的な作業を経てパワーブック2台から紡ぎ出されるのは、そんな起伏に富んだ音魂だ。

I:CUBE - JET SET INTERVIEW 087
http://www.jetsetrecords.net/columns/interview/87.php
アンビエントな要素をベースに“YELLOW”という空間に合わせつつダンス・トラックを混ぜたりして、あらかじめ意識はしてたけど。ラップトップ上でDJをするような感覚で自由なライブだったよ。でもあまりこの「ラップトップでのライブ」はやらないようにしようと思ってるんだ。新鮮さを失いたくないからね。

ATAK | diary/2003/09
http://www.atak.jp/diary/2003/09/08.html
・もちろんラップトップのライブと言っても僕みたいにその場で作っていくタイプのもあれば殆ど決め込んだのを再生。っていうのもあると思うんだけど、どっちにしろ音がよければ面白いはずで今どきモーションとエモーションが切断されてることに違和感を感じるなんて信じられないんですね。